大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和31(オ)220 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人弁護士大橋弘利の上告理由について。

原判決の引用した第一審判決は、被上告人はもと、D無尽株式会社と称する無尽

会社であつたが、昭和二六年一〇月三〇日改組されて現在の相互銀行となつたもの

であること、大蔵大臣が相互銀行である被上告人に認可した利息(遅延利息も含む)

の利率は日歩三銭五厘であること、然るに、被上告人はその前身であるD無尽株式

会社の時代に上告人に対し金四六五万円を利息日歩五銭の約定で貸与し、次いで右

改組となつた以後である昭和二七年三月一六日、上告人をして右貸金の支払確保の

方法として判示約束手形を振出さしめたこと等の事実を確定の上、右貸金債権は右

手形の振出によつて同一性を失うものではないから、右貸金債権については大蔵大

臣の認可した前示利率の適用はなく、依然前示約定に係る日歩五銭の利率が適用さ

るべきものであると判断していることは、判文上明らかである。所論は相互銀行は

事業計画書を大蔵大臣に提出し、然る後営業の許可を受けるものであり、かくして

認可された利率は絶対的のものであり、従つて被上告人が相互銀行となり、新しい

法人となつた以上は、当該債権が無尽会社から譲受けたものであると否とを問わず、

一律に日歩三銭五厘の新利率の適用下にあるべきものであると主張する。しかし、

前記判決の確定したように、判示債権は前記手形の振出によつて同一性を失わない

というのであるから、右債権について当初約定された利率が所論のような事情の変

化によつて当然に減額さるべき謂れがなく、従つて原判決の右判断は正当というべ

きである。所論は独自の見解に立脚するもので採るを得ない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

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おり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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